もりのせいかつ 別館

銀河が好き。撮影日誌と画像処理の試行錯誤、ときどき料理の記録なども。

ST8XME概要

※7/17 やまぎりさんからCompany7のSBIGページにあったカメラ詳細図を教えて頂き、フランジバック42.9mmと判明しました。

www.company7.com

※6/19 21:12 今日のテスト画像などを追加しました。

※6/20 9:39  使い始めた時の日記リンクなどを追加しました。記事中のファーストFlatをご覧頂くと解りますが、チップ端にマイクロレンズ由来と言われる斜め縞が出ます(私はトリミング等で対処していました)また画面全体に波のような模様がありますが、これはFlat補正で消えます。

※6/21 20:54 乾燥剤更新と、センサー掃除の為の分解写真を追加しました。

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外観など;

ASI533MMと並べた大きさ

この状態でASI533MM一式1.2kg  ST8XME+CFW=1.6kg(セルフガイドでなくオフアキシスガイドにすると更に一式分増えます)

ST8XME(CFW8取付け時)のフランジバック44.2  42.9mm フィルターはアメリカンサイズです。

私はカメラのノーズ(?右)を真ん中のM57の2点留めアダプタに接続していました。

撮影;

CCDsoft(またはMaxImDL)を使ったセルフガイドは、ガイド星さえ有ればシンプルで、blooming処理を行うCCDopsにそのまま読み込めるので手軽です。

↓CCDsoftの使い方(UTOさんのページ)

http://oozoradigital.web.fc2.com/sakugo/CCDSoft/ccdsoft.htm

N.I.N.A.で撮影する場合は ↓ 記事にn2068ddさんから頂いたコメントのような準備が必要になりますが、ガイド星の自由度が広がります(セルフガイドは特にBやHαが大変なので)

morinoseikatsu2.hatenablog.com

懸念されるのは、N.I.N.A.撮影ファイルをCCDopsが読まないかもしれず、その場合blooming処理を別の手段で行う必要が出て来ます。(最遠天体にフォーカスするなら、天文台画像のようにblooming除去しないという手も?)

 

画像処理;

原則的にはDark補正→blooming除去→Flat補正の順ですが、

備忘録↓後半の比較通りなら、最初にblooming除去してからPIのWBPPに持ち込んでもOKかもしれません。

morinoseikatsu1011.cocolog-nifty.com

その際、CosmeticCorrectionの"Use Auto Defect"に加え、"Use Defect List"でColumnの指定が必須になると思います。

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先程、室内で撮影した1秒×20枚スタック(冷却無し21℃)

懐中電灯で適当(すみません)Flat 1秒×20枚スタック

これにCosmeticCorrection

さすがに21℃だとカラムが残ってしまいますね^^;

2021年8月撮影の-5℃300秒単画像(IR640使用) Dark/Flat/CC済は、こんな感じです。

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2015年に使い始めた時の日記と、

morinoseikatsu1011.cocolog-nifty.com

そのきっかけとなった前機ST7XMEの故障について

morinoseikatsu1011.cocolog-nifty.com

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6/20  乾燥剤の再生とセンサー掃除をしました。

乾燥剤のシリンダーはOリングを外し、170℃のオーブンで4時間

 

センサー掃除の際の分解は、

②フィルター装着の時は、ここまで

③CFWを本体に留める4本のネジは、内側の2本がシャッターに当たらないように少し短い(以前のネジは長かったので、シャッターに線が付いてしまっています)

④ここまで開けてしまうと、乾燥剤の再生が必要になります

⑤180度回転(センサーを手前に)した方が良かったと今頃気付く

センサー掃除→Flat撮影を6,7回頑張ってみたのですが、これが限界でした

おまけ。一番上の蓋が嵌らない時は、穴から針金を挿し込んでフィルターホイールの芯と合わせて嵌めています

頂き物のCFWの方は何もしないでも嵌るので、これはハズレの個体なのかも?

ふじの星空写真展へ

UTOさんのblogを見て、行って来ました。

oozoraashiato.blog.fc2.com

往復4.5時間、滞在20分(11時台と13時台のバスが無かったので)慌ただしかったけれど、UTOさんが書かれていたように、この近隣で天体写真展を見る機会は中々無いし、実際行って良かったです。「百聞は一見に如かず」の言葉通り、幾つか学びがありました。

まず、写真展における月面写真や惑星写真のインパクト。

壁面に展示されたプリントには、誌面やモニターで見るのとはまた違った魅力があり、目を引き付けられました。

月面写真は一見モノクロに見えるけれど、カラーカメラで撮影されているので大気(高度)などにより微妙に色合いが変わったりするのでしょうか?

門外漢の見当外れを恐れず言えば、硬調/軟調やトーンの扱い次第で幾多の表現が出来そうで、とても奥深い対象と感じました。(Nさんのコメント「だんだんと、途切れつつ、消えていく様子」にも共感できる気が)

惑星写真もすごく映えていました。映えると同時に、科学的興味にもしっかり応えてくれる工夫が。

準大接近に向けて段々大きくなる火星とか、展開写真付き、各種フィルターで撮影された木星等々、一般の方々にも大いにアピールしそう。地上からアマチュアがこういう写真が撮れるって凄い事だよなあと、今更ながら驚きます。

銀河星雲写真では、まずポスターサイズにびっくり。他の作品も大きめプリントで、「私の画像では、このサイズに耐えられそうな気がしない」と自己反省モードに。web公開とフォトコン応募とで処理が違うとは思っていましたが、写真展もまた少し違った処理になるのかもしれません。

与論島久米島で撮られた星景写真、2017年の素晴らしい日食コロナ写真なども良かった。

私の他にもう一人、熱心にご覧になっている方がいらして、「天体写真を撮られるんですか?」と思わず訊いてしまいました(違いました)

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帰りのバス停の近くに木苺っぽい実がなっていました

葉は木苺っぽくないんですよね、何の木でしょう?

たぶんこれ!

ja.wikipedia.org

和紙の原料の「こうぞ・みつまた」のコウゾですね。

corsoyard.com

Abell2147仮スタックと、フォトコン年齢雑感

暫く撮影出来そうに無いので、Abell2147の3夜分134枚をスタックしてみました。

5/24撮影のIRをreferenceにしたら、ズレが生じてしまった。フィルター入れ替えの時にカメラが回転した?

でも、この構図の方が中央上部のネズミ銀河みたいなのが無理なく入って良さそう。

あと3夜は撮りたい感じだけれど、今シーズン中は無理かも。

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フォトコンの年齢掲載、私はこの歳になって「年上の方がいらっしゃるから、まだ頑張れる」と励みにしていました。

10代の頃はお金(カメラ)が無くて天体写真なんて別世界だったし、20代30代は育児などで余裕無かったし(夫も早朝出勤、深夜帰宅)、当時と今では世情が違うかもですが、趣味にお金と時間を費やせる年齢が高めになるのは、或る意味自然のような気も。

あと私達の年代って、アポロ・ウルトラマン宇宙戦艦ヤマト藤井旭さん・自作ポタ赤世代なのも関係しているのかな?

もしも今の時代に10代だったら、スマホ天体写真に挑戦していると思う。

IR640の所為では無かった

(5/24)  昼間の予報では夜は曇るようだったので、「ダメ元でSC64のテストだけでも」というつもりで薄明終了(20:29)も待たず、19:27 画面内に6.5等星があるNGC5350へ。

SC64のAF

19:38~5分×2枚

続いてIR640のAF、と思ったらEAFが反応していない?また温度表示が-273℃になっている。

N.I.N.A.のフォーカサー接続を一旦切り、再接続したら温度表示・動作も正常になった。

急いでAF、ガイドカメラのピント合わせ直し

20:03~IR640の5分×2枚

結果は、

SC64でも輝星周囲に反射像が出ている!?という事はIR640の所為では無かった??

フィルターではなく、センサー由来の反射像なのでしょうか。逆にIRcutすれば出ないらしい。

www.cloudynights.com

追記;

n2068ddさんのコメントで、このゴーストは巷で数年来"サッポロポテト現象"と呼ばれているものと知りました。

UTOさんによれば、センサー上のマイクロレンズがNIRに最適化されていないのが原因との事。

そういえば耳に(目に)した事はあったけれど、我が身に起こるとは、全く考えていませんでした。

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5/26追記;

STカメラでIR640を使った時のゴースト↓ CMOSカメラとは様相が違います

上段;IC1613付近の7.3等星 IRcutL・IR640どちらもST10XMEで5分×16枚

下段;NGC3310付近の5.5等星 Clear w/ST8XME・IR640 w/ST10XE 5分×50枚

(マイクロレンズ有りのXME Clearに出ず、レンズ無しのXE IR640に出ているので、この場合はセンサー原因では無いように思うのですが)

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(5/24続き)空が晴れ続けているので勿体無くなり、Abell2147(南中23:38)へ

20:23~23:33 Abell2147のIR640 38枚で終了

SCWが変わり、この辺りだけ晴れている。。

SC64

5/25追記;次記事にも書きましたように、SC64を使おうという動機となった輝星のゴーストは、フィルターの所為では無く、センサーのマイクロレンズによるものでした。

NGC3184の各フィルター24枚スタック画像を較べてみると、

確かに、フィルター無しでも出ていました。

という訳で、以下の諸々は不要となってしまいましたが、備忘録として残しておきます。

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近赤外撮影での輝星対策として、SC64を買ってみました。

このフィルターは岡野さんから教えて頂き、SBIGのRフィルターと併用してHⅡ領域の強調に使っていた事があります(Equipmentページの一番下に、作例へのリンク有り)

これを、EFW付属のフィルター枠で留めつけようと思い、

一応はハマったのですが、なんとなくウネってるような?

やっぱりアロンアルファがいけなかったのでしょうか^^;(付いた所が変質した感じ。端切れで試してみたらフィルターには異常無し、という事は枠の各点に貼り付いた際に歪みが生じたのでしょうか・・・

UTOさんにアドバイス頂いた通り、両面テープの方が良いかもしれません。

ステライメージでIR・B合成

IR5分×15枚  B5分×12枚(Dark/Flat補正済)を使って試してみました(5/21追記;今回の枚数は先日記事の5/16追記分に揃えたもので、実際に同じ時間をかけるならIR21枚 B6枚ぐらいの配分の方が効率的と思います)

1, L画像の調整

①全データ27枚コンポジットを(SNRは(IR+B)27枚>IR15枚でした)カブリ補正

②デジタル現像

 

2, カラー画像の調整(使用する枚数は、Bデータは全部使い、IR側を合わせます)

①IR12枚コンポジットとB12枚コンポジット画像を、それぞれカブリ補正

②IR12(またはB12でも)を複製し→B12(またはIR12)とコンポジット>加重平均でGを作る(ASI533MMは、とりあえず50%で)

③RGB合成

端を切り取ってから(構図ミスです^^;)

④オートストレッチ。フィルター係数はこんな感じ?

再度カブリ補正・・・

⑤デジタル現像

⑥ 1,で調整したL画像と、1回目のLRGB合成

⑦Lab色彩調整で彩度を上げる(複製→モノクロ化→レベル補正でマスクを作る)

⑧マスクを外し、ガウスぼかしでノイズリダクション(他に良い方法があるかも)

⑨光害地のお助けトーンカーブで低輝度カット

 

3, 完成画像を作ります

①先にL画像のノイズリダクション(マスクで保護)

②2回目のLRGB合成

③色味が少し物足りないので、再度Lab色彩調整

ステライメージが未だ7を使っているのと、安いモニターand昼光処理で差が見え難かったとか言い訳もありますが^^; 御参考になれば幸いです。

NGC5774, 5775の画像処理

IR・Bカラーに興味を持って下さる方が増えた機会に、カラー調整の記録を貼っておこうと思います。

※一通り書き終わって、自分のPI理解の拙さを改めて感じました。もっと勉強しないとです^^;

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今回使ったカラーデータは、IR5分×42枚  B5分×43枚  Hα5分×72枚です。

①IR、IRとBから作ったG、BをRGB合成し、BN、CC後にHT

左は(Gを作る際に)2で割らなかったもの、右は2で割ったものです。

②同じデータをArcsinhStretch

※ASI533データの場合IR0.5 B0.5なので、念の為IR0.3 B0.7でも比較してみましたが、

中段のSTF表示の色が違うだけで、ストレッチ後の色合い・SNRも殆ど同じでした(厳密に言えば、2で割ったカラー画像のRとGのSNRがほんの少し高い)

 

③NBRGBCombinationでHαを足したカラーも作ります。

こちらはHTでストレッチ

 

④以上3パターンのカラーを、MaskedStretchのL画像と、1度目のLRGB合成(↓上段 )

⑤MLTでノイズリダクション(↓中段)下段は参照した各レイヤーです。

⑥HT画像にマスクをしてArcsinhS画像を置き換え(↓中段)更にHα画像を置き換えました(↓下段)この部分、もっと良い方法がありそう・・・

⑦ このカラー画像(上段)と、調整したL画像(HT+MS、ノイズリダクション済)を、2回目のLRGB合成(中段)、更にColorSaturationで彩度UPしてみました。

彩度UPは場合によりCurvesTransformationや、PhotoshopのMatchColorなども使いますが、今回はこの後ステライメージのLab色彩調整で青と赤を上げました(右側は使用マスク)

 

ひとまずの完成画像↓NGC5775(エッジオンの方)の北端が青いのが、私的ポイントです。カラーバランスを少しBに振ったけれど、見直すかもしれません。。

GOTO210(D=210mm f=1260mm)+160JP/ Al Thiba3

ASI533MMpro(-20℃, -15℃  Gain100 Offset20)

単露光5分 NoFilter×103枚 IR640×108枚  B43枚  Hα72枚

Lに全データ326枚、カラーにIR42枚 B43枚 Hα72枚使用

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5/16追記  試しにIR15枚、B12枚だけで処理したもの

B12枚でも青はしっかり出るようですね・・・