もりのせいかつ 別館

銀河が好き。撮影日誌と画像処理の試行錯誤、ときどき料理の記録なども。

integrationの謎

12/6;記事の最後に追記しました。「一括の方がSNRが良い」という結果です。

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私の頭には負えそうにありませんので、記録だけ。

以前ステライメージを使っていた頃、多数枚スタックの精度を上げたくて、日毎にスタック→数日分をスタックしていた事がありました(当時は"コンポジット"と呼んでいました)

morinoseikatsu1011.cocolog-nifty.com

その時、故Nさんに「(日毎)加算平均したものを、(数日分)加算平均するとSNを損しますよ」と御指摘を受け、自分でも検証し、加算を使うようになったのですが、

PIのStar Alignment精度に満足するようになってからは、全データを一括でImage Integrationに放り込む事になんの疑問も持って来ませんでした。

 

ところが先日似たようなやりとりを見かけ、好奇心で試してみたら、予想外の結果になってしまいました。

HCG44の6日分203(29+30+31+35+37+41)枚データのintegration結果です。

6daysは日毎→数日分の2段階integrateで、日毎をNoRejection→数日分をSigmaClippingと、その逆を試してみました。

Allは一括integrateで、NoRejectionとSigmaClippingです。

予想ではどれも同じ位になるか、或いはAllの方が良いはずだったのに、6daysの方がSNRが2倍以上も良いという驚きの数値!?

 

※6daysは日毎をNoRejection→数日分をSigmaClippingの順で行うと、軌跡が消えない(右下)

スタックすると閾値が変わるのかな?(sigma low4 high4で行っています)

→PIのドキュメントに"Sigma clippingは少なくとも8or10枚必要"と書いてあるので、6枚(日分)では正常に働かなかったのですね

 

Star Alignmentでdrizzleのチェックを外してやり直してみましたが、結果は同じ。

Niwaさんに伺ってみると、評価の方に問題があるのではとの事。SubframeSelectorでシングルフレームでなくスタック画像を評価したのがいけなかった?

 

Integrationのweightに"PSF Signal Weight"を使ったので、日毎×数日分のダブル使いで"良いところ採り"になっている可能性も有り?と下手な考えを起こし、

weightを"Don't care"で再度試してみましたが、やっぱり6daysの方が良い。

「こうなるだろう」という予想が悉く外れているのは、やはりSubframeSelectorの使い方に問題があるのかもしれません。

 

最後に、見た目の比較

見た目のシャープさも数値(FWHM)も、右端の"Don't care"が一番良かったりするので、もう考えるのを放棄したいです・・・

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NiwaさんがPIのForumに質問して下さり、回答にあったSNRviewスクリプトを試してみました。

SNRは6days<一括、weightによるSNRはPSF signal weight<Don't care、Rejection AlgorithmによるSNRSigma Clipping<No Rejection と最初の予想通りの結果になりました!

SubframeSelectorのSNR weight(を使った事)に問題があったようです。