もりのせいかつ 別館

銀河が好き。撮影日誌と画像処理の試行錯誤、ときどき料理の記録なども。

カラーから抽出したLのSNRが高かった

昨日の記事後半は、自分でも着地点が解らなくなってしまったので削除しました。読んで下さった方には申し訳ありませんm(_ _)m

「どんな画像にしたいのか?」は常に揺れていて、明日には180°変わってしまうかもしれず、その時々の感覚で試行錯誤していくだけと改めて思いました。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

sazabiさんがIR/B撮影を試して下さったNGC4565画像が素晴らしかったので、元・鬼コーチ?としては感無量なのですが、

「「Bx185」と「IRx41」を作り、RGB合成してからLを抽出しました」との事で、カラー画像からLを得るという発想に驚きました。

 

早速、私の今までの方法(WBPPでregistration後、IRとBを一括Integrate)と、sazabiさんの方法(同じデータでIRとBを各々Integrate、R(G)B合成後にLを抽出)とで、SNRを較べてみましたら、 

sazabi法の方が、SNRが8も高い!?

IR21枚 B43枚と、IR43枚 B43枚で試しましたが、いずれも先にカラー合成してからLを抽出したものの方がSNRが高くなりました。

しかもIR43枚とB43枚とでは、Bの方がSNRが高い。どう考えてもIRの方が高いと思うのに。

この結果、解る方には一目瞭然なのでしょうが、私の頭では理解できません・・・

 

Integration後の画像には使えないと思っているSubframeSelectorでは、

SNRの差が更に大きく出ましたが、さすがにこれは無いでしょう。

 

FWHMも見てみましたが(下段のダイアログの左右が逆でした)

カラー抽出Lの方が僅かに悪いけれど、これはSNRとシャープネスのトレードオフ的な傾向の為かなと思います。

 

かなり衝撃的な結果でしたが、私はフィルター無しデータも使っているので、とりあえずは一括Integrateのまま継続しようかと。

カラーに使うIRの枚数は、今まではBの約半分にしていたけれど、今後はBと同数枚に変更しようかなと思いました。

 

でも、IRとBデータだけだったらsazabiさん方式で、全データをIR、B各々Integrate→RGB合成しちゃって、最初からカラー画像として扱えば手っ取り早いし、SNRも良いですよね?

NGC5718あたりで試してみようと思います。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

4/24夜 追記;試してみました。

データは、NGC5718のフィルター無し37枚 、IR190枚、B33枚

カラー画像を作る際、フィルター無しの扱いに迷いましたが、②B側に加える、③IR/B双方に加える の2パターンとしました。

①IR190枚/B33枚  ②IR190枚/B+フィルター無し70枚 ③IR+フィルター無し227枚/B+フィルター無し70枚 ④IR+B+フィルター無し260枚を一括Integrate

今回は元々の予想通り④が最もSNRが高く(56.04db) 、カラー画像から抽出したL①②③は50~51dbでした。ただ、見た目が低SNの①よりも③の方が低いというのは不思議。SNRとは??

 

②と③を抽出する前のカラー画像を、PCC→ArcsinhStretchしてみたら

やはりIRとBの枚数が極端に違うと、色を出すのが難しそう。いや、Bが多ければ案外有望?

ArcsinhでなくHTでストレッチして(中、右)彩度を上げると、

左端は今までの方法で、IR30枚/B30枚でカラーを作り、260枚のLと合成したものです。

ST8XMEで撮った時は、カラーR,G,B各10分×8枚でも厳しかったと思うので、あとB20枚ぐらい必要かも。