もりのせいかつ 別館

銀河が好き。撮影日誌と画像処理の試行錯誤、ときどき料理の記録なども。

"リコリモ"でNGC1313(The Topsy Turvy Galaxy)

(12/6の記事を一部訂正して再掲します<(_ _)>)

RICHOリモート天体撮影サービス(12月末までのモニター入口はコチラ)に登録し、憧れだったNGC1313(The Topsy Turvy Galaxy "しっちゃかめっちゃか銀河"?)を撮影して頂きました。

ひとまずの素顔Ver.

 

彩度とシャープ感を上げた派手目Ver.

 

周辺の淡いガスを残した、これ以上は無理Ver.

Planewave CDK20 (f/4.4 version) D=51cm f=2259mm  FLI-PL09000

Astrodon Johnson/Cousins Ic 300s×29 600s×1

Astrodon Gen2 B 300×14

Astrodon 5nm Hα 300s×14 600s×1

オーストラリア  サイデイング・スプリング

 

お金の無い身なので、予約したのは満月期と下弦期です。光害地撮影で試しているIR/B/Hα撮影を、リモート望遠鏡のコスパ向上に応用できないかと考えました。

 

画像処理しながら気付いたのは、自分が今まで「光害地・小口径・小センサーだから仕方無いよね」という、精神的なリミッターを設けていた事。

今回のように"言い訳"が出来ない最高の条件の素材を手にすると、技術不足も感じました。

そういう意味で、スキルアップのモチベーションとして、リコリモ時々チャレンジは有りかもしれません。

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ここからは備忘録です。

 

<計画編>

まず、NGC1313をIR(Ic)/B/Hαで撮れるのか?という所から、、、

Magnitudesがそのまま光度の目安になるのかは不明ですが、この銀河は赤外域で明るそう?

 

PL-09000のQEグラフは、赤外域にもそこそこ感度が残っている。

 

Icフィルターの透過域は700-900nm

という訳で、おそらくIc撮影でも何とか写りそうです。

 

ついでに、今回Gen2はBフィルターだけの使用でしたが、Lを使うとすると赤外カットになるのでしょうか。もし新月期に銀河を撮るなら「フィルター無し」という選択も有り?

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<予約&撮影編>

なるべく安くというのが、私の優先事項^^;

初回無料サービスの1時間は月明りがある時間帯という事なので、Icを選択。そして満月期の1時間にHαを、下弦期の月出前にBという作戦です。

 

最初の予約は、対象高度を考えていなかった事に気付き、一旦キャンセル。

2度目の予約は、撮影計画ファイルにフィルターと露光時間が入っていなかったと、担当の方からメールを頂きました。どこかで入力ミスしていたようです。

 

改めて希望プランをお伝えしたところ、その時間帯は薄明中ですが?と・・・オーストラリアはサマータイム中で、ステラナビゲータのタイムゾーンを手動で1時間ずらす必要があったのですね。

(対象ダイアログ内の南中時間が動かないのは、SN11なので?)

 

担当の方は都度都度に連絡を下さり、こちらが恐縮する程でした。Ic利用の撮影法にも関心を持って頂き、テスト撮影も行って下さいました。

テスト撮影は10/31  各フィルターの300s2枚と600s1枚(Bは300sのみ)

IcとBは300sで良さそうでしたが、Hαは露光不足気味で迷い、とりあえず今回は300sで行くことに決めました。

 

初回無料枠は11/8(月齢6.6)にIcフィルターで12枚

Hαを予約した11/17は天候不良で、代替日の11/18(月齢16.6)にHα12枚+B12枚、ここでちょっと勘違い×勘違いが発生し11/19にIc7枚、Bを予約した11/20(月齢18.6)は天候不良でIc1枚、代替日の11/21にIc7枚

結果的に、テスト撮影も含め、5時間あまりのデータが貯まりました。

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<画像処理編>

まず、Icフィルター(左端)とBフィルター(中)の写りは、かなり違いました。

海外の同クラス口径の画像に較べて解像が及ばないのは、Icのせい?

Bの解像感を活かしたい、でもIcにだけ写っている星もあるし、、、

とりあえず一括でintegrateすると、まあまあ両方残っているものの(右端)、2フィルターの「良い所採り」は今後も模索していきたい。

 

他の方々も指摘なさっていたFlatの過補正による四隅のムラは、トリミングしちゃいました。

 

センサーのカラム欠陥による黒線などは、CosmeticCorrectionで補正

 

また、IcフィルターのTW撮影に出た光芒(上段↓ おそらく月の影響)は

TEのデータで置き替えました(下段)

 

Gを作るIRとBの割合は3:7、4:6、5:5の3パターンを試し、4:6が適正と思いましたが、敢えてブルーが紫がかる5:5(右端)を使ってみました。

 

その他の処理過程はファイル名から推察頂けると思います。

背景補正はIc、B、Hα各画像にGC、RGB合成後にDBEを使いました。

悩んだのはBXTの強度、HαブレンドのCombineHaWithRGBのパラメータ、そして星の色でしょうか・・・星の色は彩度を上げると皆赤っぽくなってしまうので、今回は彩度を抑える方向で調整しました。