M81・82周囲に広がる雲のようなものを"Integrated Flux Nebula"として解説している英文の記事を読んだのは、随分前のこと。
こんな記事も書きました。
morinoseikatsu1011.cocolog-nifty.com
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以来これを「分子雲」と呼ぶ事に躊躇して来ましたが、最近は天文誌でも使っているみたいだし?宇宙は繋がっているのだから(オリオン周辺などの分子雲と)結局同じなのかなと思うようになっていました。
ところが『銀河の育ち方』を再読していたら、低温の領域にあるダストについて「刷毛ではいたように雲状の構造をしていることが多いので、「シラス(絹雲※)」と呼ばれています」(※巻雲)
ふと、以前の疑問が再燃しました。
AstroBinに答えがありました。
意外だったのは、IFNはアマチュア用語(?)で、論文では"(Galactic(al)) Cirrus"が使われるらしい。日本語では"銀河巻雲"と、そのままの呼称になるようですが・・・一般的な感じはしませんよね^^;
とりあえず、IFN(Cirrus)と分子雲は、密度において区別されるという事のようです。
このスレッドによると、IFN(Cirrus)の赤味がかった光は、ダストによる(銀河の光の)反射。ということは全波長だからClearフィルター、それとも短波長が散乱してIRの方が写り易い??
追記;2005年放送大学テキスト『宇宙からの情報』より
「星間物質の濃い場所は「雲」と呼ばれる。」
「密度が100個cm-3乗程度以上の領域では、水素は分子として存在する。このような領域は分子雲と呼ばれ、一酸化炭素が出す波長2.6mmのスペクトル線でよく観測される。分子雲の温度は10Kから100K程度である」
「分子雲は、密度が高く、より効率よく冷えて収縮しやすいため、新たな星の誕生の場となる。分子雲は、しばしば背景の星や星雲の光をさえぎって暗黒星雲として観測される。これは、分子雲中のダストが光を吸収・散乱するために起こる。」
追記2;
Cirrusの温度は20-30K。他の銀河にも見られる。
Modern Cosmological Observations and Problems - G. Bothun
追記3;
NGC5907の「グルグル」問題はスッキリしませんが、このページTOPに置かれたIRAS/COBEクレジットの画像は凄い。