昨シーズン「渾身の一枚!」と書いたNGC2403を見返すと、
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何故こんな処理をしたのだろう?という所が多々あって。
今年はST10XEでClear、B、Hαを撮り足して再挑戦しました。
以下は処理の備忘録です。
苦労したのは、Hαブレンドでした。
5分×83枚も撮ったけれど、Robert GendlerのHST-Subaruイメージみたいな解像は望むべくも無く、中途半端に載せると只の色浮きに見えてしまいそうだしノイズも気になる。
あれこれ試した末、LRGB画像とLRHαGB画像を、Hα(-星)マスクを使用して、PixelMathで置き換えてみる事にしました。
LRGBとLRHαGBの比率(実際には試行回数)を変えて
更にマスク反転で青を回復
採用したのは下段中です。
もっと良い方法が有りそうですし、色の選択も好みが分かれるかもしれません。
次の躓きは、画像処理の終盤になって気付いたdrizzleの格子模様(↓上段)
PIやPSでは目立たなかったのに、ステライメージでクッキリ見えて驚きました。
仕方が無いので、drizzle無しで最初からやり直しました(下段)
今回ST10XEのデータを加えた事が関係しているのでしょうか。
ずっと習慣的に使い続けていたdrizzleですが、元々は400万画素のST7時代、A4プリントに耐えられるようにと使い始めたものなので、ST10の3200万画素なら無しで良いかもしれません。
※12/24追記
n2068ddさんからコメントを頂き、ForumのDrizzleリリース時のアナウンスも改めて読み返しました。
まず、すっかり忘れていましたがdrizzleはアンダーサンプリングのデータじゃないと本来の効果が望めないのでしたね。ST10XEの6.8μになって、オーバーサンプリングの程度はST8XMEよりも増しています。
ただ私はdrizzleの解像効果より、データの拡大効果で使っていた訳で、「大きく&星を丸くしてから、deconvolutionを行う」という主旨からすれば、オーバーサンプリングでも構わないかも。
小さいデータにdeconvolutionを使うのと、drizzleでボケが大きくなった画像をdeconvolutionで締めるのと、どちらが解像感が上がるか?という疑問も有ります。
それから今回の格子模様の原因は、ピクセルサイズの異なるデータを混ぜた事というのは間違いなさそうです。背景ノイズの粒の大きさが違う画像を混ぜたら、地模様になるのは容易に想像出来る。
外周の腕の描出にも悩みました。
画像の奥行き感を大切にしたいのですが、光害地で淡い部分を出そうとするとレンジに無理がかかり、空が浅くなってしまう。
ベストを尽くしたつもりですが、空(&口径)の壁を、改めて痛感しています。